『列子』狗吠緇衣(くはいしい)

楊朱の弟である楊布が、白い着物を着て出かけた。 雨が降ってきたので、白い着物を黒い着物に着替えて、家に帰って来た。 家の犬は、白かった筈の飼い主が黒くなって帰ってきたので、怪しんで吠えかかった。» 続きを読む

『戦国策』親不孝な若者の話 

自分自身の、若くて生意気で、屁理屈ばかりこねていた頃を思い出して、赤面する話である。 三年間、勉強して帰ってきた若者が、母親のことを名前で呼ぶようになった。 母親がその無礼に驚いて、理由を尋ねると、» 続きを読む

『淮南子』理想の上司

立派な上司というものは、部下に全てを求めない。 人格、能力、技術、知識、自分自身がそれら全てを備えていたとしても、部下に同じことを求めようとはしない。 ところが、実際は、部下の無能、無気力、節度の無さを嘆く上司は多い。» 続きを読む

人は見た目

『人は見た目が9割』という本が、数年前にベストセラーになった。 昔から、人は見た目では判断してはいけない、と言われている。 そう言われているということは、人は見た目で判断されるということであり、この本の主張は、特に目新しいものではない。» 続きを読む

新しい社史の提案

既に引退した人であるが、自動車の営業マンをやっていたU氏という人がいる。 自動車の営業はテリトリー制といわれ、担当地域を決めて行なわれる。 このU氏は、商品知識が豊富とか、プレゼンテーションが得意という訳ではなかったが、徹底的に自分の担当地域を廻った。» 続きを読む

『列子』メラビアンの法則

心理学者のメラビアンによると、人の感情は、「態度や表情」「話し方」「話の内容」の三つで他者に伝わるという。 そして、伝わる感情の全体を100%とした時、「態度や表情」が55%、「話し方」が38%、「話の内容」は7%に過ぎないらしい。 要は、人の気持ちというものは、話の内容以上に、話し方や態度・表情に表れるということであろう。» 続きを読む

旧主の喪に服す

一人の満足した顧客は、10人の営業マンに優る、と教えられた。 この反対に、不満をもったお客は、10人のライバル企業の営業マンに匹敵するのだろう。 昔、といってもまだ一年にもならないが、大きな組織に所属していた時の話である。» 続きを読む

金正日の葬儀に思う

北朝鮮がどうしようもない国であることは、よく分かっている。 マスコミが、これでもかとばかりに教えてくれる。 分からないのは、これほどまでに酷い状態で、何故、革命や暴動が起きないか、ということである。» 続きを読む

『列子』情けは人のためならず

「情けは人のためならず」という言葉があるように、最終的には自分の利益が大切である。 利益が目的であり、人に敬意を払ったり親切にしたりすることは、手段かもしれない。 しかし、手段は大切である。» 続きを読む

『国語』貧しさの栄光

季文子相宣成、無衣帛之妾、無食粟之馬(『国語』魯語) 魯の季文子という人は、宰相として、宣公、成公の二君に仕えたが、その家には、絹を着る妾もなく、穀物を食べる馬もいないほど、質素倹約であった。 仲孫它(ちゅうそんた)という若者が、言った。» 続きを読む

えこひいきとお天気や

先日、会社の人間と二人で、新宿の飲み屋に入った。 店は、半分くらいの入りで、席はかなり空いていたが、通されたのは、4人がけのテーブルで、しかも、隣はアベックであった。 他の、空いている4人がけのテーブルは駄目かと訊くと、駄目だと言う。» 続きを読む

『世説新語』廉者は求めず、貪者には与えず

何と言うこともないが、好きな話である。 庾法暢(ゆほうちょう)と言う人が、庾亮(ゆりょう)という東晋の貴族を訪ねた時、麈尾(しゅび、払子のようなものらしい)の立派なものを握っていた。 そのあまりの素晴らしさに、庾亮は、» 続きを読む

何となく印象に残る話

中国の古典を読んでいて印象に残るのは、やはり英雄、豪傑、名臣と言われる人たちの事跡である。 しかし、一般に知られていなくても、何故か、気になる人物もいる。 例えば、石慶という前漢時代の人である。» 続きを読む

『世説新語』与ふる者をして少なきを忘れしむる

引き続き『世説新語』から、何ということもないが、好きな話を。 西晋の初代皇帝で、呉を滅ぼして三国志の時代を終わらせた武帝(司馬炎)は、竹林の七賢で有名な山濤(さんとう)を重用していた。 しかし、重用している割には、与えている食禄、つまり給料は少なかったという。» 続きを読む

日本と中国の古い関係

天皇家の姓は、「姫(き)」であるという説がある。 最近の話ではなく、大昔からある。 中国の史書に、倭の使節が自ら、私たちは太伯(たいはく)の子孫であると言ったと、記載されているからである。» 続きを読む

一に健康二に人柄

昔、「一に健康、二に人柄、三、四がなくて、五に能力」と教わった。 教わった当時は、いくら人柄が良くても、能力がなければ、役には立たないのではないかと思った。 しかし、こういった人は、決して世の害にはならないだろう。» 続きを読む

戦略とは条件(環境)を変える技術である

転職も当たり前になってきたが、まだまだ良いイメージとはいえない。 履歴書を見て転職回数が多いと、それだけで採用を躊躇う人事担当者や経営者は多い。 日本には、優秀な人材であれば、どんな環境でも頑張れる筈だという、一種の思い込みがあるようである。» 続きを読む