乗馬は英会話に習得に似ている

朝起きると、今年2回目の大雪で一面の銀世界だった。

現在、午前10時だが、ここ千葉県大網では、まだ雪が降っている・・・。

馬場の状況からしても、とても乗馬という気分にはなれない。

ところで、一旦騎乗すれば、動くのは馬である。

馬が動こうと思わなければ、人はどうしようもない。

人間が「動きたい」という意思を馬に伝え、その意思を馬が理解して始めて、馬は動く。

つまり、そこにはコミュニケーションが成立しなければならないということである。

馬には人間の言葉は理解できないから、脚やレイン(手綱)を使って、私たちは馬とコミュニケーションを取ろうとする。

私のような素人がまず習うのは、脚で馬の腹を押せば動き出すということである。しかし、多くの人が経験するように、一回で動くことは稀である。

指導員から「もっと強く押して!」「押してもダメなら蹴って!」と指示され、ようやく馬は動き出す。

これは、英語を勉強して、始めて外国人と話す場面と似ているのではないだろう?

つまり、まず単語を習い、それを外国人に対して話すのだが、発している単語は正しくても、発音が悪かったり不明瞭だったりして、伝わらないということである。

指導員からの「もっと強く!」といった指示は、

「もっと大きな声で言いなさい!」

「もっとはっきりと言いなさい!」

ということなのだろう。

乗馬に話を戻せば、

脚で「move!」と馬に伝えても、馬からすれば発音が悪くて聞き取れないから、こちらの意志が分からないのであろう。

場合によっては、脚では「move」と伝えても、手綱では「stop」と伝えているのかもしれない。

これでは、馬は混乱して、どうしていいか分からなくなる。

こういった場合、人間が身体動作で馬に何かを伝えていると同じように、馬も身体動作で人間に何かを伝えようとしている筈である。

ところが、こちらは初心者だから、馬の言いたいことが分からないのである。

これは丁度、外国人の方が何か言ってきても、英語の初心者は相手が何を言っているのか、聞き取れないということと同じではないだろうか。

こう考えると、乗馬は英会話の習得に似ている。

英会話がうまくなるためには、言葉を覚え、それを正しく発音することが大事になる。そして、数多く話をすることが必要であろう。

乗馬も、扶助や合図の仕方を覚え、それを正しく伝えることが大事なる。そして数多く乗馬して、馬からの反応を聞き取ることが必要であろう。

乗馬の名人と言うのは、馬とのコミュニケーションが巧みな人ということで、これは、日本人に生まれながらネイティブ並みに英語を使える人のようなものである。

英語での日常会話位なら、ある程度勉強すれば不可能ではない。しかし、ネイティブ並みとなると大変である。

乗馬は奥が深いというのは、こういうことなのだろう。

ブリティッシュ乗馬とウエスタン乗馬も、英会話という比喩で考えてみると、分かりやすい気がする。

つまり、ブリティッシュ乗馬はイギリス英語であり、ウエスタン乗馬はアメリカ英語である。

微妙な違いはあるが、どちらも英語であることに変わりはない。

だから、ウエスタンをやってきた人間がブリティッシュをやる場合、また、その反対であっても、戸惑いはあるかもしれないが、意志の疎通は可能である。

私としては、早く馬と日常会話レベルのコミュニケーションができるようになりたいものである。

そう考えると、もっともっと馬からの反応に注意を払うべきだろう。

コミュニケーションで大事なことは、こちらが伝えようとすること以上に、相手が伝えようとすることを聴くことだからである。

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