馬の反抗(99鞍目)

所用が重なったり台風が来たりで、しばらく乗馬が出来なかった。

馬場は不良だったが、今日、ようやく99鞍目を騎乗した。湿度が高く、体調も今一つだったので、軽い練習で終えた。

軽い練習だったので、馬の反抗はほとんど出なかったが、どういう時に反抗が出るのだろうかと、考えてみた。

馬に乗ったばかりの入門者の時期、馬が全く言うことをきいてくれないことがある。

前にも進まないし、右にも左にも行かないという場合である。

これも一応は反抗ではあるが、 正確には無視と言った方が良いのではないかと思う。

無視をするのは、そもそも騎乗者を上位者であると、馬が考えていないということである。

人間でも同じで、上司から言われたことに反発するから反抗であって、上司でもない人に言われても、「こいつ何言ってんだ」で終わりである。

こう考えると、馬の反抗は嫌なものではあるが、とりあえず馬がこちらを上位者と認めた証であるとも言えよう。

馬が騎乗者を上位者と認識している場合、馬に対して何か指示をしても、それだけでは反抗は起こらないような気がする。

反抗が起こるのは、こちらの指示が曖昧で、馬が何をして良いのか理解できない時のようである。

馬は何をして良いのかわからないから、多くの場合、こちらの意図とは違った行動を取る。違った行動を取られたら、こちらとしては注意なり叱るなりをしなければいけなくなる。

そして、また曖昧な指示を送る・・・・、という繰り返しが生じた時に、馬は反抗するのではないだろうか。

これも、人間の組織における上下関係と全く同じである。

上司から曖昧な指示が来て、とりあえず 仕事をしたら、それは違うと叱られたら、誰であっても頭にくるし不満もたまる。

こういったことが繰り返し起これば、反抗したくなるのが、当然であろう。

乗馬をしていると、リーダーシップとか部下育成ということを改めて考えることが多い。

馬と人間とを一緒にしてはいけないが、相手を動かすという部分の原理原則は、同じではないだろうかと、よく思う。

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