馬が軽いという感覚(107鞍目)

駈歩が早くならない・・・・。

乗馬を始めた頃は、駈歩が怖かった。客観的には大したことがなくても、体感的には猛スピードである。

駈歩は遅い方が良いと思っていた。

そして数カ月が過ぎた。

生意気になって、もっと早く早くと思うのだが、早くならない。

何とか早くしようと、いわゆる随伴を心掛けている内に、姿勢が崩れてきたようである。

TK先生からは、頭が上下し過ぎていると指摘を受けた。また、反撞を腰ではなくて鐙で受けているとの指摘も受けた。

頭の上下については、意識して少し良くなったようではあるが、どうもまだしっくりこない。

改めて動画を観てみると、僕の随伴の動きは、腰が動かずに上半身に力が入って動いているようである。

これは、真逆の動きであろう。

変な随伴をしないのが一番良いかもしれないが、するとしたならば、せめて腰が動いて上半身はリラックスしたままが良い筈である。

また、鐙に乗せた足にどうも力が入っているなということは、少し前から気づいてはいた。

僕の鐙への足の乗せ方は、ブリティッシュ方式で、足の前の部分を乗せている。しかし、ブリティシュとウエスタンでは、そもそも騎乗姿勢に違いがある。

鐙の踏み方も変えてみる必要性があるのではないかと、昨日、考えた。

そして、今日の朝の騎乗では、上半身のリラックスと丹田の辺りに力を入れること、そして、鐙を深く踏んで騎乗してみた。

これは大正解だった。

脚に力が入る感覚が抜けて、扶助を軽く出せるようになった。

また、全体のバランスも良くなったのか、常歩から速歩を出そうと、軽くチョンチョンと脚をいれると、ティグレはスッと駈歩に入った。

もちろん、駈歩を要求した訳ではないから、すぐに止めたが、その後も、実にスムーズに発進してくれる。

更に、今までは速歩をやっている際に、推進が落ちてしまい、結構脚を入れることがあったが、今日は、脚を入れなくても軽やかに速歩を続けてくれた。

つまり、ティグレも気持ちよく動くことが出来たということだろう。

馬が気持良いわけだから、当然、騎乗者である僕も気持ちが良い。馬が軽いという感覚を味わうことが出来た。

反面、今まで如何に馬の動きを邪魔していたかということである。

午後は、東大の小島毅教授の講演を聞きに、東大柏の葉キャンパスに出かけた。

明治に入っても日本の騎兵の馬は去勢しなかったという話を、以前から聞いていた。

去勢といえば、宦官が有名である。

日本は中国の文化を多く受け入れてきているが、何故か、宦官制度は導入しなかった。そして、馬の去勢ということも避けてきた。

小島教授は中国思想史の専門家だから、この、「なぜ、日本は宦官制度を導入しなかったのか?」という質問を、講演のテーマとはズレるが、してみた。

結論を一言で言えば、「分からない」ということらしい。

この宦官の問題は、専門家同士でも良く出てくるテーマらしいが、分からないらしい。

馬の去勢すらしない文化だから、人間の去勢なんてとんでもないということなんだろうか・・・?

理由は分からないにせよ、日本に宦官制度がなかったことは、悪いことではないと思う。

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