馬に調教されない!(134&135鞍目)

TK先生によると、新馬の調教で、馬の抵抗が最高に高まった時、そこを乗り越えると、ふっと馬が素直になるらしい。

一つの分岐点を越えたという感じになり、その後、調教は急に楽になるしい。

僕とだいちゃんの関係も、この分岐点を越えた気がする。

8月終わり頃の、速歩すら出してくれなかったのが嘘のように、だいちゃんは良く指示を聞くようになってきた。

振り返って考えるに、この間、最も気を付けていたのは、馬に調教されないということだった。

ある馬に騎乗すれば、事実として重いとか、左手前が出にくいとか、色々なことが分かる。

そうなると、どうしても扶助が強めになったり、無理やり手前を出そうという行動を騎乗者はとってしまう。

このことは、とりあえずは正しい行動である。

出ない馬は、何としても出させなければならない。

問題は、一度、強い扶助で馬が出た後である。

次に発進させる時に、騎乗者の頭には、どうしても「この馬は出にくい」とか「強い扶助がないと動かない」という記憶が残っている。

ここで、何も考えずに馬を発進させようとすると、自然と扶助が強いままになってしまう。

これが、馬に調教されるということである。

これが続くと、馬はますます動かなくなるし、場合によっては反抗も出てくる。

騎乗者にとって大事なことは、馬を調教することである。馬に調教されることではない。

今現在重い馬であれば、いかに軽い扶助で発進するようになるのか、左手前を嫌がるのであれば、いかにその気にさせるかが、調教である。

ということは、強いままの扶助や、無理やり手前を出させるのではなく、常に扶助は軽いものに戻す必要がある。

そして、それで動かなければ、強い扶助を送る。そしてまた、軽い扶助に戻すということを意識的に行わなければならない。

僕自身、まだまだ出来ているとまでは言えないが、やろうとしているというレベルにまでは至った気がしている。

これが、僕を変え、だいちゃんを変え、僕とだいちゃんの関係を変えた、一番大きな要因だと思っている。

これを機に、自分の勝手な判断だが、初心者卒業ということにしようと思う。

入門者を卒業して初心者になるのが、ちょうど35鞍だった。

今日で鞍数は135鞍となった。

つまり、ちょうど100鞍で初心者卒業ということになって切りも良いし、もう、「趣味は乗馬です」といっても良い段階かなとも思う。

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