エルドラドランチでいきなりの駈歩-前編(2鞍目)

体験乗馬で経験した「馬に乗ったときの視点の高さ」と「揺れ」に、少し気落ちしていたが、1週間ほど経って記憶が薄れると、もう一度頑張ろうという気になってきた。

今まで、ネットで情報収集する際には、単に「乗馬」とか「乗馬クラブ」という検索をしていたが、乗馬にはウエスタンとブリティッシュの違いがあることを知り、敢えて「ウエスタン乗馬」という検索をかけてみた。

すると、自宅の近くに

エルドラドランチ

という施設があることが分かった。

連絡を取ると、予約は特に必要ないとのことだっことだったたので、早速出かけた。

施設の規模はエバーグリーンホースガーデンほどではないが、大きな馬場があり、年配の男性が馬に乗っていた。

ゆっくりと走ったり、ぐるぐると回ったり、後ろ向きに進んだり、凄い速さで走って柵の間近で急に停止したりと、実に軽々と優雅に乗りこなしていた。

「うまい人はこういう風に乗るのか」と感心して、しばらく眺めていた。

後で分かったが、この人がオーナーの土岐田勘次郎氏であり、ウエスタン馬術に関していえば、「うまい」などというレベルではなく、名人と言われている人らしい。

 特に受付らしきものもないので、建物の中に入ると、三十代くらいの男性が対応をしてくれた。

乗馬スクールとしては、30分×5回で2万円ということなので、早速申し込むことにした。

「今日からやりますか?」と問われたので、「お願いします」と答えた。すると、準備をするからしばらく待つように言われ、更に、床にズラッと並んでいるウエスタンブーツの中から足に合うものを選ぶように言われた。

ここでは、ヘルメットやプロテクターは付けないようである。

ブーツを履いて待っていると、先生(先ほどの男性)は馬を厩舎から引き出してきて、鞍を載せ、馬場に馬を連れ出して、ゆっくり歩いたり、回したりしている。後から知ったが、これを「下乗り」というらしい。

準備が整ったらしく、馬場に呼ばれる。

まずは馬に跨らなくてはならない。エバーグリーンホースガーデンでは小学校で校長が立つような台があり、そこから跨ったので簡単であったが、ここでは地面から直接である。

62歳まで後10日という柔軟性のなくなった身体には、このことだけでも結構きつい。足が鐙まで上がらない。

何とかかんとか苦労して跨ると、手綱の持ち方と馬の動かし方を確認された。これは体験乗馬で得た知識でOKであった。

「それではまず歩いてみましょう」

と指示されたので、馬の腹を脚で押すが動かない。強く蹴るように指示される。ようやく動き出した。

見ると、先生は引き綱のようなものを持っている。これは「調馬策」というらしい。つまり、馬を動かすと、先生を中心にして馬はぐるぐると回ることとなる。

先生を中心にして、二回りほど歩くと、なんと!

「それでは、駈歩(かけあし)しましょう」

と言うのである。

(後編に続く)

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