『論語』品性がないとは

経営学の大家であるドラッカーは、

Integrity(高潔さ、真摯さ、品性)に欠ける者にマネジメントを委ねてはならないと述べた。

では、品性に欠けるとはどういうことなのか?

孔子が謂っていることが、もっとも適確だと僕は思っている。

驕慢かつ吝嗇ということである。

驕慢とは、人を馬鹿にして、その長所を見ようとも活用しようともしないことである。

吝嗇とは、自分の利益しか考えないことである。

どんなに才能があっても、いや、才能があればあるほど、このような人物が人の上に立てば、その結果は明白であろう。

より良い管理者・経営者になろうとするのであれば、まず考えなければならないのは、驕慢かつ吝嗇にならないということである。

最新のマネジメント理論やマーケティング理論をいくら勉強しても、品性に欠けていれば、それだけで管理者・経営者としては失格である。

出典 (明治書院)新釈漢文大系1『論語』187頁

泰伯第八

子曰、如有周公之才之美、使驕且吝、其餘不足觀也已。 子曰く、如(も)し周公の才の美有るも、驕且つ吝ならしめば、其の餘は觀るに足らざるのみ。