『老子』誰もが納得することは真理ではない

自分が正しいと思うことが、他人から受け入れて貰えないことは多い。

自分が間違っている場合もあるだろう。

何度も反省することは必要だと思う。

しかし、本当の真理や道理は、分かって貰えないことの方が多いのではないか。

もしくは、口では分かったと言いながら、実際の行動に移さない人も多い。

老子によれば、

優れた人物は真理を聴けば、すぐにそれを実行に移そうとする。

中程度の人物は、理解は示すが行動には移さない。

駄目な人物は、馬鹿にして、真理を笑う、という。

僕を含め、世の中に数多くいるのは中程度の人物である。

つまりは、何が正しいかは分かりながらも、実行できない人たちである。

それが、まぁ、人の社会というものであろう。

出典 (明治書院)新釈漢文大系7 『老子』76頁

德経 同異第四十一

上士聞道、勤而行之、中士聞道、若存若亡、下士聞道、大而笑之。不笑不足以爲道。

上士は道を聞けば、勤めて之を行ひ、中士は道を聞けば、存するが若く亡(な)きが若く、下士は道を聞けば、大(だい)として之を笑ふ。 笑はざれば以て道と爲すに足らず。